はじめに
せっかく高い金額を出して長い時間をかけて、何よりも痛い思いをして歯列矯正をしたのに歯並びが再びデコボコになってしまったら(=後戻り)とっても残念ですよね・・・。
そこで、なぜ歯列矯正後の後戻りが起きてしまうのかをご説明いたします。
1、保定装置を使ってない
矯正直後は、矯正によって不安定になった歯を支える骨(歯槽骨)が完全に固まっていない状態です。
その骨がしっかり安定するまでに必要となるのが保定装置です。
矯正後に歯科医院からもらう保定装置を指示通りに使用しない事が後戻りの最大の原因となります!
主な保定装置
基本的な使用方法は
矯正後1年目 ⇒ 一日中
矯正後2年目以降 ⇒ 夜間の就寝時
このように少なくとも3年程度は保定装置を装着する事が必須となります。
また歯周病の方や歯ぎしりやくいしばりの癖がある方は後戻りのリスクが高いので4年目以降も保定装置を使用することをおすすめします。
2、親知らずがある!
親知らずとは、だいたい10代後半から生え始める一番うしろの歯です。
基本的に矯正治療前に抜歯する事が理想ですが、子供の頃に矯正をした方や前歯だけの部分矯正をした方などは親知らずが残っているままで矯正を終了しています。
ですが、その親知らずが他の歯を圧迫する事で後戻りしてしまう場合も多いのです。
親知らずの抜歯は基本的に保険適応です。
矯正後のきれいな歯並びをキープするためにも親知らずの抜歯をおすすめします!
詳しくはお近くの歯医者さんでご相談下さい。
3、歯周病
歯を支える骨(歯槽骨)が健康な方は、矯正治療で一時的に歯槽骨が不安定になったとしても時間が経過するごとに徐々に歯槽骨が安定するのですが、歯周病にかかっていて歯槽骨が減っている場合は、矯正治療が終ってもなかなか安定せず、結果的に後戻りしやすくなってしまうのです。
歯列矯正は、よく「家を建てる」ことに例えられますが、うわものだけを綺麗に仕上げても土台がしっかりしていないと長持ちしませんよね?
矯正治療中もその後も、歯周病のケアを徹底することがきれいな歯並びをキープするコツですね!
4、歯ぎしり・くいしばり・舌癖・開口等の習癖
- 歯ぎしりやくいしばり⇒歯が揺さぶられることによる後戻り
- 唇癖⇒唇を吸い込んだり噛む癖は前歯を押してしまうことによる後戻り
- 舌癖⇒舌で前歯を押す癖により前歯が押し出される
- 口呼吸や開口(お口がポカーンとしている状態)⇒前歯を押さえる力が弱く出っ歯になりやすい
☆噛み合わせと後戻りの関係
「矯正後に元のようにぐちゃぐちゃに戻っている友達がいるのですが、先生のところでは大丈夫ですか?」と後戻りに関する質問をされることがありますが、それだけ矯正後の後戻りに関して心配している人が多いと感じています。
後戻りを防ぐためには、リテーナーと呼ばれる入れ歯のようなものや透明なマウスピースを装着したり、歯の裏側で動かないように固定するのが一般的です。
後戻りの原因について、患者さんがリテーナーの装着をサボったことが最大の要因と言われていますが、私の経験では、奥歯の噛み合わせが安定していないと、いくらリテーナーを装着してもリテーナーをやめた時点で、いつかは後戻りが生じてしまいます。
そして、奥歯が正しくない位置で落ち着いてしまうと、多くの不定愁訴が現れてきます。
また、後戻りの原因には、噛む力が極端に弱くてせっかくつくった正しい噛み合わせでも安定しないということがあります。これは、開咬という奥歯で噛んでも前歯が閉じない噛み合わせの場合に特に起こります。
もともと、開咬の人は前歯で何十年も噛んでいなかったために噛む力はかなり弱く、正しい噛み合わせが作られてもすぐには前歯で噛むことができません。
その結果、顎が以前のように後方に押しやられてしまうのです。
こうした偏った噛み方の習性がしみ込んでいる人は、意識的に噛む訓練をしなければいけません。今まで使っていなかった前方で噛む訓練と、噛む力が弱かったのを強くする訓練が必要になってきます。
今までは、歯が噛み合っていなかったために前歯で噛むことができなかったり、悪い噛み合わせで強く噛んでいなかったのが、正しい噛み合わせになれば、後は少しの訓練で正常な動きも、強い力も発揮することができるようになります。
歯並びだけが悪くて、筋肉的に問題のない人は、特に筋肉のリハビリは必要ありませんが、筋肉的に問題のある人は治療後に筋肉を鍛え治す必要があります。
☆まとめ
後戻りの原因は様々ですが、、、 実は
2、親知らずが残ってても!
3、歯周病でも!
4、いろんな癖があっても!
それらを全部まとめてカバーできる方法がひとつあるのです!
それは、、、1、保定装置の長期使用です!
保定装置は矯正中のような痛みは一切なく、ただ装着するだけで良いのです!
頑張って矯正したきれいな歯並び、一生モノにしてみませんか??